「聖地化」へのカギは1億人への「発信力」と「企画力」、「livedoor URBAN SPORTS PARK」を新たなスポーツの文化を作り出す場所へ

2024年7月19日、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドが「有明アーバンスポーツパーク」のネーミングライツパートナーに決定。施設名称が「livedoor URBAN SPORTS PARK」に決定した。

東京オリンピックで新たな種目として加わった「スケートボード」では、日本人3人が金メダリストになった場所。銀メダリスト、銅メダリストと、合計5人のメダリストが誕生した「聖地」が、3年の時を経て10月12日に生まれ変わる。

ネーミングライツパートナーとなった株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドの瓜生憲代表取締役会長 兼 社長と、北海道日本ハムファイターズでプロ野球選手としてもプレーし、株式会社ライブドアの取締役兼CIO(Chief Innovation Officer)の斎藤佑樹さんに、今回のネーミングライツ取得の経緯や「アーバンスポーツ」の可能性について聞いた。

ー「有明アーバンスポーツパーク」のネーミングライツを取得されました。改めて、ネーミングライツの取得に動いた経緯をお聞かせください。

 今回、東京都さんが持つ「有明アーバンスポーツパーク」のシンボルとなるような立ち位置に我々がなりたいというのがあり、それにより「ライブドア」のブランドイメージをもう一段高いものにしたいというところが最初の目的でした。

ー第三セクターを除いて、東京都の施設のネーミングライツを民間事業者が取得するのは初めてとのことです。責任や意義というものは、実際に取得されて感じるものはあるでしょうか?

瓜生:実際、オリンピックの跡地というところで、(1964年以来)57年ぶりに東京五輪が行われた中で考えると、その跡地が我々の名前になるというところは非常に責任あるものだと思っていますし、有明というエリアはお住まいの方もたくさんいらっしゃるエリアです。さらに、駅からも近く、都心からのアクセスが非常に良い場所というところで、いかにその場所を使って盛り上げていけるかは非常に重要になってくると思います。そういった意味でも、チーフ・イノベーション・オフィサー(CIO)の斎藤くんが色々なものを持ってきてくれるのではないかと期待しています。

斎藤佑樹CIO(以下、敬称略):まず、東京オリンピックのレガシーを引き継いだこの場所を大きく広めていくために必要なのは、何かの競技に閉じることなく様々な方たちに開いていくことだと思います。それがまさに東京・有明という場所にある意義です。競技としてのスポーツのみならずウェルビーイングや健康思考の観点でも、屋外で体を動かす場所がなかなか都内にはありません。でも、このアーバンスポーツパークには多様なプログラムがある。ここに来れば、子どもから大人まで、単にスポーツだけではなく自分が好きなことを何かしらできる。そんな場所だと思います。

 例えば、野球だけではなく様々なスポーツにチャレンジする人が増えれば、いずれ野球にも還元してくれるでしょうし、 サッカーもバスケットもそうだと思います。まずは体を動かすことが好きな方たちが来てくれて、その楽しさを発信することによって、世の中全体のスポーツ人口が増えていくんじゃないかなと思います。そういう意味でもライブドアがネーミングライツを獲得したことで、その発信力によって多くの人たちに広まっていくんじゃないかなと。これから新しいスポーツの社会を築いていくためには、素晴らしい取り組みだなと感じています。

ー「アーバンスポーツ」以外でも利用できる面がたくさんある「ライブドアアーバンスポーツパーク」ですが、合言葉は「跡地を、みんなで遊べる聖地へ」です。この合言葉はどうお感じになりますか?

瓜生:何をもって「聖地」なのかというのは、これから「ライブドアアーバンスポーツパーク」で色々なイベントが行われたり、国際大会とかも含めて色々な記録が生まれたり、いわゆる感動のシーンが生まれるっていうところを期待したいです。それに加え、我々も色々なイベントを手掛けていきますので、何かしらの「聖地」になるようなイベントも企画できれば、なお良いなと思います。

 外で遊べる場所が東京はどんどんなくなっていて、それこそ野球をやれる公園などはなかなかないです。今回「スポーツパーク」と呼んでいるので、飛んで、跳ねて、走ってということが思いきり子どもたちができて、子どもだけでなく、大人もできるようなイベントもできると良いなと思います。

斎藤:野球で言えば神宮球場など、東京には多くのスポーツの聖地が点在する中で、アーバンスポーツの集積する新たな聖地が誕生することは重要な意味があると思います。スケートボードもそうですし、3×3もそうですし、新時代を切り開くスポーツを体感できる施設がこの有明エリアに位置していることによって、アーバンスポーツをより身近に触れられるようになります。

 野球においても、9人vs9人の野球は難しい空間でも、ベースボール5(5vs5のゴムボール野球)など、場所がなくても限られた空間の中で楽しめるスポーツは、これからのニーズに凄く合っている気がします。また、この場所は東京オリンピックの魂を引き継いだという点からも、新たな時代のスポーツの中心になっていくんだろうなと想像してます。

瓜生:そうした場所を、我々のように月間1億ユーザーを持っているメディアの会社が今回のようなポジションで携わるという意味では、 我々はいかに広く発信するかで、結局その聖地化していく。多くの人が知り、多くの人がそれを認めて初めて聖地化されるわけなので、我々がしっかりと発信していくことが1番求められているタスクだと思います。

ーこの先の「聖地化」ということを考えると、「アーバンスポーツ」というもの自体が東京、パリと2大会のオリンピックで注目され、特に10代の選手や若い選手がメダルを獲っています。子どもたちがここからオリンピックを目指すことで、より「聖地」になっていくかなと思いますが、子どもたちへの想いはいかがでしょうか?

瓜生:シンプルにたくさん来てもらいたいですよね。やはり、我々が広くその存在を発信し、そこの良さとか、行われるイベントとか、そこ行ったら楽しいことがあるんだっていう印象を若年層まで含めていかに伝えるかがかなり重要になると思います。近所の方は子どもだけで来るかもしれませんが、やっぱり親御さんに連れられてくるケースが多いでしょうから、 親御さんたちに対してしっかりと情報を届けるというところが我々の本業でもあるので、しっかりとやっていくべきだと思います。

斎藤:僕がパリ・オリンピックの取材に行った時に凄く感じたのは、スケートボードは野球とは全く違う年齢層の選手が活躍していたこと。そして、彼らが始めた頃の話を紐解いていくと、本当に若いうちから、例えば小学校に上がる前からやり始めている。それを可能にする場所が、この東京のど真ん中にも解放されるということが素晴らしいなと思います。

 スケートボードがストリートカルチャーが発祥のスポーツであることも起因して、専用の練習場はなかなか少ないですが、このアーバンスポーツパークがあることにより、堂々と練習ができる。それは大きいことだと思います。東京だけではなく、関東、そして全国から「あそこのパークに行ったら、堂々と仲間と滑ることができるらしい」と子どもたちが集まってくる。凄く可能性を秘めたエリアだと思います。

 また、子どもの試合での活躍を親御さんたちがリアルで応援したくても、現地に行けないこともあります。そんな時、メディアを通して試合をもっと観ることができたら嬉しいですよね。

 当然、メディアを通して応援の輪が広がりやすくなるし、より競争も生まれやすくなる。そうすると、結果を出すことや結果がメディアで発信されることがまた選手たちのモチベーションにも繋がる。多くのメディアを手がけるライブドアがネーミングライツを取ったことの意義を発揮できると思います。

 このアーバンスポーツパークからオリンピック選手が生まれるのを想像するとワクワクますよね。この場所があることによって、 競技にチャレンジする人たちが多くなるし、参加するアスリートが多くなれば、当然その中から結果を残す選手も多くなる。数年後が本当に楽しみだなと思います。

株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドの瓜生憲代表取締役会長 兼 社長

ー瓜生さんは高校、大学とアメリカで過ごされていたと思います。「アーバンスポーツ」という点では、アメリカでは以前から文化となっていますが、当時身の回りで文化的なものを感じたことはあるでしょうか?

瓜生:当たり前のようにスケートボードは周りがやってましたね。普通に移動手段としている人が非常に多い国であって、確かに学校もスケートボードで来ている人が結構いました。日本よりも、ゴールしかないというようなところですけど、バスケットコートも多かったです。

 僕がアメリカにいた頃は、「アーバンスポーツ」というワードはまだなく、当時で言えばちょっと不良のような人たちがやっているような印象はあったと思います。それがちゃんと「アーバンスポーツ」としてスポーツ化されたということが凄く良いなと思いますし、オリンピックで採用され、その跡地を東京都が聖地化に向けた動きをしているというのは、スポーツの発展というか、ストリート要素が強かったものが、カッコ良く変化していっているのが良いなと思います。

ー斎藤さんも野球の取材などでアメリカに行かれていると思いますが、「アーバンスポーツ」を身近に感じた場面などはありましたでしょうか?

斎藤:瓜生さんのおっしゃる通り、やっぱりスケートボードなどが移動手段で使われているというのは感じました。それこそ、ラーズ・ヌートバー選手の地元を取材で訪れたんですが、野球場があり、バスケットコートがあり、テニスコートがあるというなんでもできる公園が街中にありました。住宅街にあるんですよね。それは日本ではほとんど見たことはないです。

 このように、都市型の居住環境にありながらさまざまなスポーツを楽しめる公園はとても魅力的だし、その中で育まれる子どもたちのスポーツに対する価値観にポジティブな影響を与えると思いました。それがついに日本にも誕生する。オリンピックだけで閉じることなく、世の中に対して解放されるということが、時代を切り拓くきっかけになると考えています。

ーそういった点では、オリンピックの跡地で終わってしまうのではなく、しっかりと生かして施設にする。その最初のステップのところで、ネーミングライツを取得できたことへの期待感は高まりますね。

瓜生:スケートボードは確かにオリンピックで結果が出ていますし、結構注目されています。3×3も今どんどん広がって、チームもできていて、これからリーグなども成長していくと思うので、そこにおいては「ライブドアアーバンスポーツパーク」の役割は結構大きくなってくると思います。

斎藤:スポーツビジネスにおいて、ネーミングライツを取得することの意味は、その名前を出すだけではなくて、自分たちの事業の強みを活かせることだと思います。「アーバンスポーツ」は、これからどんどん成長していくと思いますが、絶対的に必要なのはメディアとの協創です。1億のユーザーを持つライブドアがネーミングライツを取得することで、「アーバンスポーツ」の魅力をさらに広めていく。さまざまなチャネルを持ってるライブドアだからこそ実現できることがあるなと思います。

北海道日本ハムファイターズでプロ野球選手としてもプレーし、株式会社ライブドアの取締役兼CIO(Chief Innovation Officer)の斎藤佑樹さん

ー斎藤さんは長らくプロ野球選手として活躍されてきた中で、盛り上げや広く伝わるという点でメディアとのシナジーを感じた部分は大きかったでしょうか?

斎藤:アスリートにとってメディアは絶対的に必要な存在です。切っても切り離せない存在で、良い時だけではなくちゃんと悪い時も追いかける。それは選手にとって苦しい瞬間もあると思うんですけど、それを全て伝えることで選手のストーリーが見えてきますし、応援する方もついてきます。

 コンディションが悪い時は誰にでもありますし、選手は全てを見てもらう覚悟を持つべきだなと元アスリートとして思います。メディアに取り上げられることは自分にとって、その後に続く選手たちにとって、良い意味でも悪い意味でも情報として残りますが、活用することもできます。

ーメディアとのシナジーがある一方で、「アーバンスポーツ」はスポーツという枠に収まらず、音楽などのカルチャー面でもシナジーが生まれやすいと思います。その辺りの期待もあるのでしょうか?

瓜生:我々のグループとしては、韓国エンターテインメントのNo.1サイトである『Kstyle』であったり、 『ライブドアグルメ』もやっています。例えば、グルメフェスだったり、もしかするとK-POPのイベントだったり、色々なことで「ライブドアアーバンスポーツパーク」を活用することはできると思います。我々のスポーツメディアでも、サッカーやバスケットボール、バレーボール、ベースボールがありますが、自分たちだけでメディアの掛け合わせ、コンテンツの掛け合わせができるので、リアルな場所を使って色々と企画ができて、それを国内有数のインターネットメディアで発信できるというのはかなり強みにはなってきます。我々のメディアの強みを活かしたイベントや新たなコンテンツを「ライブドアアーバンスポーツパーク」で生み出すことはやってみたいですね。

斎藤:僕はパリ・オリンピックで、ビーチバレーと柔道とスケートボードを見取材したんですが、僕の経験から想像するスポーツとは全く異なる印象でした。柔道は日本人からするとどこか神聖なイメージがありますが、パリの柔道会場では音楽がずっと鳴っていて、観客もみんな声をあげて拍手する。そういった良い意味での騒がしさは凄く楽しかったです。「ライブドアアーバンスポーツパーク」には、『Kstyle』やグルメ音楽などさまざまな要素が詰まっている。これらのコンテンツをフルに活かせるということは、本当に良いシナジーが生まれると思います。スポーツの文化がこの場所で創られていくんだなと感じます。

瓜生:ライブをやりながらスケートボードとか、グルメフェスをやりながら大会をやっているとか。グルメを理由に来場した人たちが、スケートボードに触れるなど、別の理由で来た人たちが「アーバンスポーツ」に接する機会になるということはやっていきたいですね。

ー最後に、改めて新たに開業する「ライブドアアーバンスポーツパーク」をこれから利用していただく方たちへメッセージをお願いいたします。

瓜生:シンプルに楽しみに来てほしいですよね。騒いで、走って、とにかくここに来たら、はしゃいで良いんだっていうような。最近は、コンプライアンスなども厳しく、色々と子どもたちが遊びづらい都会になっている部分はあると思うので、3ヘクタールを超える規模のスポーツパークで、走って、飛んで、転がってということを思いっきりやってもらえたら良いなと思います。

斎藤:皆さんと一緒に日本の新たなスポーツ文化を創り上げたいなと思います。「スポーツってこんな楽しみ方があるんだ」と、この場所に来たらいつも発見があるような。

 「スポーツはこうあるべきだ」という考えも大切ですが、野球もルールが変わってきているように、これからどんどんスポーツの形は変化していきます。その時代の価値観やライフスタイルに応じた、スポーツとの関わり方やスポーツコミュニティのあり方を、皆さんと一緒に発信していきたいです。

瓜生:あとは、らしいという形で言えば、サイネージなどで色々と発信したいと思いますね。例えば等身大の「斎藤佑樹」みたいな(笑)。

斎藤:それは面白そうですね(笑)。なんでもできますね。

瓜生憲会長、斎藤佑樹CIO

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